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相続の悩み

認知症の父所有の物件を売却するには?

Q

 ここ2年ほど、父の言動がおかしくなり、家族では面倒が 見きれないと、介護施設へ収容してもらうことを考えていま す。その費用の捻出のため、父名義の賃貸物件の一部を売却 しようと考えていますが、そのためにはどうすればいいでし ょう。法定相続人は母と私、行方の知れない兄の3人です。

A

まずは後見開始等の審判申し立てを

詳細

 ご相談をいただいた方とお母様、お兄様は現時点では法定 相続人ではなく、相続することが推定される、推定相続人に 当たります。この場合、推定はされているものの、確実であ るわけではないとみなされるので、相続開始前に、被相続人 の財産を処分する権利はありません。

 しかし、この場合、お父様の財産を処分することで、施設 入居費用を捻出しなくてはなりませんから、まずは後見開始 等の審査を申し立て、お父様の代理人を選出、その代理人と 協議して、土地売却などを行うという段取りをとるのが現実 的かと思われます。

 病気や高齢化などで判断能力が欠けていたり、不十分であ る人のためには、その程度によって、後見、補佐、補助など といった、判断を公正な他者に委託する制度があります。そ れを行うためには、4親等内の親族が家庭裁判所に申し立て をする必要があります。

 その場合に必要なのは、本人、申立人、後見人等の候補者 の戸籍謄本のほか、本人の病状、判断能力の状況を示す診断 書、鑑定書など。また、成年後見人として登記されていない ことの証明書も必要です。

 また、申し立てに当たって推定相続人全員の同意は必要あ りませんが、家族間のことでありますから、できるだけ全員 で話し合い、共通の認識を持っておいたほうが、後日のトラ ブルを避ける意味でもよろしいかと思います。

●売却にあたっては土地の使用状況の説明も

 後見開始の審査で後見人が選任されると、後見人には、本 人の代理としての権利が認められます。
これにより、後見人 は本人に変わって、財産に関するすべての法律行為を代行で きることになります。

この例では、お父様名義の物件売却で すが、この場合には、本人の同意も必要です。
また、今回は ご本人が住んでいる建物、敷地ではないようですので、不要 かと考えられますが、そうでない場合には、土地の使用状況、 何のために売却が必要かといった事情を家庭裁判所に説明す る必要もあります。

 また、後見人が必要なほど判断能力が衰えていないと判断 された場合には、後見人よりも代理権のない、保佐人、補助 人が選任されることもあります。
その場合には、別途、代理 権を付与してもらうための申し立てが必要になります。

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