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相続の悩み

相続税の物納制度が大きく変わったそうですが?A

(前回に引き続き、相続税の物納制度の解説を続けます。)

Q

父は来年70歳。アパートや借家、駐車場に貸している土 地などを所有しており、死後は長女である私が相続するこ とになります。私自身は父がやっている大家さん業にはま ったく関係ない会社勤めをしているのですが、気になるの は相続税。不動産はあっても、現金はないので、いざとな ったら、物納すればいいと思っていたのですが、これから は物納は厳しくなると聞きました。

A

物納できる土地の条件が明確化され、「何とかしてください」は不可能に。

詳細

 これまでも抵当権が設定されていたり、境界線が固定さ れていない土地などの物納は認められていませんでしたが、 今回の改正では、それ以外も含めて明確に土地の条件が決 められました。これまで、ほとんど物納が認められていな かった市街化調整区域内の土地や、道路に面していない、 いわゆる無道路地については、一定の条件の下に、他に物 納できる土地がない場合に限って、「物納劣後財産」とし て物納できるようになりました。この点では、物納できる 土地が増える人もありえます。

 反面、これまであまり厳格に運用されていなかった、物 納の優先順位が定められました。収める側としては、価値 の低い土地から収めたいわけですが、物納に適した財産が あるにもかかわらず、物納不適格財産や物納劣後財産を物 納申請した場合には、物納を却下されることになります。

 では、具体的にどのような土地が物納できないのか、条 件次第ではできるのかの例を挙げてみます。

●物納できない例(物納不適格財産)

・抵当権が付いていたり、所有権の帰属を巡って争っている財産
(国が完全な所有権を取得できないため、不適格)

・境界が明確でない土地、借地権の及ぶ範囲が不明確な貸 地など
(ただし、山林は原則として測量不要)

・共有財産、稼動している工場の一部など
(他の財産と一体でなければ処分できないため)

・敷金等の債務を国が負担しなくてはならなくなる貸地、 貸家など
(物納財産に債務が付随するため、国が債務を負 担することになるので不適格)

・越境している建物、契約内容が貸主に著しく不利な貸地 など
(訴訟事件になる可能性が高いため、不適格)

・証券取引法上の所要の手続きがとられていない株式、定 款に譲渡制限のある株式
(譲渡に当たって特定の手続きが 必要であるにも関わらず、その手続きが行われていないた め不的確)

この中で、貸地、貸家については、敷金を返還、経営の 安定した管理会社にサブリース、それを物納という手立て はありえます。

●他に収めるべき財産がない場合に物納できる例(物納劣後財産)

・法令の規定に違反して建築された建物およびその敷地(いわゆる違法建築など)

・地上権、永小作権その他の用益権が設定されている土地

・道路に面していない、接道条件を満たしていない土地
(いわゆる無道路地、再建築不可の土地など)

・都市計画法に基づく開発許可が得られない道路条件の土地

・法令、条例の規定により、物納申請地の大部分に建築制 限が課される土地

・維持、管理に特殊技能を要する劇場、工場、浴場その他 の大建築物またはその敷地

・土地区画整理事業の施行地内にある土地で、仮換地
(移転先)が指定されていない土地

・生産緑地の指定を受けている農地および農業振興地域内 の農地

・市街化調整区域内の土地

・市街化調整地域外の山林および入会週間のある土地

・相続人が居住または事業の用に供している家屋および土 地(自宅など)

・休眠会社の株式

・忌み地


つまり、国が取得した後、容易に換金できる土地でなけ れば物納は難しいということになります。

次回は現金での納付が困難として、物納が認められる要 件についてまとめます。

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