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姉歯建築士による耐震強度偽装問題が世間を賑わせています。ここではイレギュラーな形ではありますが、今回の事件で私たちが何を学ばなくてはいけないかについて、まとめてみたいと思います。
当然のことですが、この事件、そして頻発する地震の影響から、建物の強度に関心を持つ入居者が増えたものと思われます。自分が入居する建物の強度を知りたいと思う人も出てくるかもしれません。
となれば、大家さんとしても自分の所有する建物の強度についてきちんと知っておく必要があるでしょう。といっても、大半の方がご存知ないのではないかと思います。建築時の図面は保管されているとしても、その意味を説明できる方はあまりいらっしゃらないはずです。
ただ、幸いなことに入居者も建築については同じ程度の知識レベルの方が大半。ですから、例えば「阪神淡路大震災時にも倒壊しなかった新耐震基準(昭和56年施行)に基づいて施工されています」という一文があるだけでも、安心感を与えられるはずです。このあたりは、施工会社に相談、具体的な一言を教えてもらいましょう。また、建物の強度に不安がある場合には、自治体の建設関係部署に相談、強度計測、必要があれば補強なども考えましょう。
これから物件を建てたり、購入する場合であれば、建築費、建築工程などが適正であるかを再度、確認したいところ。予算、工期の厳しい昨今、今回の例までは行かないまでも、コンクリートの厚さなど、細かいところで経費削減のための手抜きがあるという声は度々耳にします。また、あえて手抜きをしているわけではないものの、工期が厳しいため、コンクリート養生の期間がないなどのケースもあります。その場合、強度が十分でなくなる可能性は否定できません。安く建てて収益を上げようと思うより、いい建物を建てて、それをアピールするほうが長期的には利益につながる、今はそんな時代です。
物件を購入する場合にはどこから買うか、その価格が相場と比してどうかという点も大事です。特に投資用物件を中心に扱っている不動産会社の場合、住んでいる人の声は不動産会社には届きにくいもの。そのため、時として収益だけ考えた建物、部屋になっていることもあり得ます。しかし、大家さんとして所有するとなると、住んでいる人の反応が入居率につながります。自分が住みたくない物件は、他人も住みたくない、これが基本です。
また、価格も相場からみて、極端に安い場合は注意が必要。中古で売主が個人の場合には、個別事情も考えられますが、新築で法人が売主なら、建築費を圧縮しているケースも考えられます。それによって、入居者間に音トラブルが発生したり、後日メンテナンスに多額の費用が必要だったりするようでは安く購入した意味はありません。先々のことを考え、入居者に安心、満足してもらえるような物件を購入するようにしたいものです。
昨今、何を買うにしても「安いほうがいい」「もっと安くあげたい」と考える風潮が蔓延していますが、その思いが行き過ぎると、肝心なものを見落とします。ことに住宅は住んでいる人の暮らしや生命を守るものですから、価格以上に大事にしなくてはいけないものがあるはず。住宅に関わる仕事をする人間として今回の事件に学ばなくてはいけないのは、そうした点ではないでしょうか。
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