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賃貸インタビュー

第十四回 ペット可はいずれスタンダードに

村島正彦さんさん (むらしままさひこ)
1967年佐賀県生まれ。都市計画シンクタンク勤務を経て独立。
NPOくらしと住まいネット副理事長、住宅ねっと相談室カウンセラー。
著書に「自分スタイルの住まいづくりコーポラティブハウス体験記」
(廣済堂出版)、「最強の住宅相談室」(ポプラ社 監修・共著)がある。

住宅ねっと相談室
http://www.so-dan.net

以前より増えたとはいえ、ペット可物件は賃貸市場全体 で見れば1割まではいっていないのではないでしょうか。 とはいえ、ペットが生活の一員となっていくのは当然の流 れと、村島さん。住宅業界、ペット業界と幅広く取材をさ れた村島さんに、現状、そしてこれからのペット可物件の 動向について、お伺いしました。


ペットを飼う人口は確実に増加、 仕方なくペット可に、はナンセンスな時代に

かつて、ペット可は、老朽化など借り手のつきにくい、
アパート、マンションに何とか、入居者を探すための条件 緩和策のひとつでした。

「従来は、条件を緩和して借り手を探そうという場合、ペ ット、高齢者、外国人が3大要件だったと聞いたことがあ ります。どれかひとつ、条件を緩和すれば、何とか入居者 を確保できるだろうというわけです」

 仕方ないからペット可に、というわけですね?

「そうです。これからはそうしたネガティブな考え方は時 代遅れ。ペットを飼う人たちが一般化している現在におい てはペットと共生して住むというのが当たり前になってき ています。それが実際の流れです」。

 村島さんによると、2000年頃に消費者金融のコマーシャ ルに登場したクーブームの影響からか、この5〜6年で、 小型犬を中心にペットを飼う世帯が急増したのだとか。

「2005年の国勢調査によると、18歳未満の子どものいる世 帯が26.5%なのに対し、何らかのペットを飼っている世帯 は42.4%と推測されています。(ペットフード工業会調査 を再集計、国勢調査と合わせて試算。総世帯の20%以上と いう別の意見もある)。子どもよりもペットと暮らす世帯 が多いのです」。

「しかも、ペットを飼いたいという予備軍はさらに多い。 ペットフード工業会の調査では、2人以上の世帯で現在犬 を飼っているのは24.8%ですが、将来飼いたいという世帯 もそれとほぼ同数の24.9%。つまり、足すと半数になりま す。単身世帯では、現在飼っているのは7.2%ですが、将来 飼いたいという人が43.1%、こちらも足すと半数です。そ れに、これからの少子高齢化を考えると、ペット数急増は 自然な流れかもしれません」

 少子高齢化とペット増加に関係がある、と

「子どもの手が離れた夫婦や、一人暮らしのお年寄りが増 えています。こうした人たちはペットを飼う、飼いたいと 思う。若い単身者でも、人生のパートナーとしてペットと 共生することが一般的になっているのです」。


安易なペット可はトラブルの元  ハードだけではなく、ソフトを考えた対応を

となると、大家さんとしては、ペット可はネガティブで 特別なものではなく、ごく普通にある選択肢のひとつとし て考えたほうがいいわけですね?

「確かに、ペットとの共生は一般的になってはきますが、 だからといって、ペット可にすればいいと、安易に考える のは問題でしょう。分譲マンションでも同様の問題があり ます。ペット可が半数以上になっている新築分譲マンショ ンを除けば、既存の大半のマンションがまだペット不可。 これをペット可にするためには、管理規約を改正しなくて はいけないのですが、管理規約改正の手続きのためには、 区分所有者の4分の3以上の賛成が必要。しかし、ペット 嫌いの人もいますし、ペット不可なのにペットを飼ってき たマナーの悪い人がいればその反発も出ます。なかなか一 筋縄ではいかないのが現状のようです」。

 確かに全員が全員、ペット好きとは限りませんよね。

「だから、これからのペット可は煙草で言うところの分煙 化のような方向に行くのではないかと思っています。好き な人と嫌いな人が共存できるようにするという意味です」。

 分譲マンションでは棟ごとにペット可、不可を分けてい たり、ペットが同乗していることが分かるエレベーターを 設置するなど、分ける方向にありますね。それと同じよう に賃貸も進んでいくほうがいいということですね。

「最初からペット可で建てるならいいでしょうが、途中か ら切り替えるのは難しい。まずは、入居者の意見を聞いて ペット可にしてもいいかどうか、そのあたりから始めるべ きでしょう」。

 たしかに、敷金をどうするかなどの問題もありますから、 大家さんひとりで決められるわけではありませんね。

「それから大事なのがペット面接。実際には飼い主を見る わけで、ちゃんとマナーを守れる人か、安易に捨ててしま わない人かなどを考えてながら、必ず会ってみるべきです。 具体的には予防接種をちゃんとしているか、繁殖しすぎな いように対策を考えているかなども大事でしょう。ここで は人を見る目が試されます」。

「これから建てるのであれば、いわゆるデザイナーズのよ うに、コンクリート打ちっ放し、リノリウムの床といった 建物もペット可には向いているかもしれません。借り手が 変わる際にクロスの張替えなどが不要ですから」。

 いずれにしても大事なのは、ハードより、ソフトという のが村島さんのご意見。

「大家さんが、店子さんのことを何も知らないというより はペット面接あるいはペットの日常などを介して、店子さ んとのコミュニケーションを図れるようになれば、トラブ ルも起きにくくなり、いい店子さんを確保できるようにな る可能性があると思います。社会全体の傾向としてのペッ ト可はもちろんですが、店子さんとのコミュニケーション ツール、確保ツールとして前向きに考えてみると、面白い のではないでしょうか」。


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